fate and shade 〜嘘と幻〜
一部終了 あとがき
一部、異世界カリィーナルを舞台としたコウとシルフィラの旅、終了しました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
異世界に迷い込んでしまった中学生……という設定はありがちなものですが、光良はそんなことを望む子供では断じてありません。心のどこかで望んだから異世界に行った、というわけではないのであしからず。どこまでも、ただ迷い込んだだけなのです。
彼は刹那主義な子です。その場その場の行動は目を瞠るものがあります。一方で、結構過去とか未来とかいったものを気にするほうです。それが、一部での光良の意味不明な言動をつくりだしています。秘密主義でもあります。口ベタもありです。器用に見えて、不器用なんです。それはシルフィラにも言えることで、彼は常に微笑を浮かべていますが、他人に対して心の底から笑うことは滅多にありません。
誰しも、過去には何かしらあるものだと思います。この二人もミナとリィンも、様々な過去を背負って生きています。ありきたり、といったらそこまでですが、羽月は彼らにかけたいのです。過去と同時に、未来もまた誰しもがもっているもののはず。まだまだ若いのです。おおいに悩み、笑ってほしい。一人じゃ重くても、二人なら持てるかもしれない。人間は一人じゃない、と思います。誰かとの出会いが、何かとの遭遇が、どんな方向に私達の足を向けさせるかわかりません。コウとシルフィラの出会いが、この二人だけではなく、羽月にとって、他の誰かにとっても、何かを思い、変えていく一歩になることを、心より祈っています。
二部は、花鳥風月を念頭に書き進めていきます。花と鳥、風と月。四つの視点が行き会うことはないと思います。皆無、というほどではありませんが、基本的に、この四つは独立した話です。彼らの旅は、交差はしてもくっつきはしません。
それぞれの目的。その間にどんなに辛い道が待っていても、絶対、幸せになれる話です。
一部でお付き合いいただいた方。二部もどうぞ、末永くお付き合いくださいませ。
06/08/16 一部終了
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