俺と仲間とペット達



 隣の土地の仲間が、ペットを育て始めたらしい。まだ小さいから、十年くらい経ったら食うつもりだという。だから俺も、ペットを飼うことにした。小さいうちから育てて、十年経ったら、食べようと思う。
 俺のペットは、黒い毛と青い目をもった、汚いメスだ。汚いままじゃ嫌だから、綺麗に洗ってやる。がりがりじゃまずいから、美味しいものを食わせてやる。俺の姿が怖いと泣いたから、姿を変えた。寒いと震えるから、抱いてやった。世話は面倒だけれど、十年後のためだ。俺は色々努力した。そのうちだ。可愛いな、と思うようになった。
 さらに、言葉を教えてやれば、ペットはよく喋るようになった。こうなるとさらに可愛くて、俺はもう、このペットを食う気は失くした。隣の仲間にそう言ったら、そいつも同じ気持ちだったらしい。苦笑しながら、俺も食えないと告白した。

 ――今、俺の横では、隣の土地の仲間が足を投げ出してくつろいでいる。目の前では、黒毛と赤毛のペット達が遊んでいる。
 こんなゆったりした毎日も、悪くはないものだ。



そこはかとなくほのぼの

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