背中合わせの関係



 私たちは二人で一人のはず。そのはず、なのに。

 

 全ての始まりを知るのはあなた。全ての終わりを知るのは私。

 それは天地の理。かせられた使命、運命。うっとうしいくらいに重い言葉だけど、でも、それは二人の間の約束でもあって。

 二人で一人。それは、二人の間の遠い約束。

 背中合わせに微笑んで、私たちは始まりと終わりを見つめてきた。

 世界、生物、全ての命を、最初から最後までただ見つめて、知っているだけの私たちだからただ、見つめて。

 でも、そういえば知らないこともあったと気付いた。

 私たちは、自分たちの始まりと終わりを知らない。

 私はいつ始まって、いつ終わるの?

 あなたはいつ始まって、いつ終わるの?

 背中合わせな私たちには、お互いの言葉に答えることはできなくて。

 

 

 ああ、神様。私たちの始まりはいつですか? 終わりは、いつくるのですか。

 二人は、いつまでいっしょですか? いつまで、反対なのですか。

 

 

 でも、答えてくれる神はいない。

 これは、二人の間の約束でしか過ぎないのだから。




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