囁愛
死んでしまえと言われたから、死んだのさ。 ああ、いい気味。『あんなこと言わなければ良かった』なんて、後悔している。 でも、もう遅いのさ。・・・覚えておけ。私は、お前の言葉に殺されたのだ。お前が私を、殺したのだ。 私は殺されたのさ。だから・・・。 ――さあ、復讐の始まりだよ。 追い詰めて追いかけて切り裂くために壊すために死の愛を囁くために。 さあ、逃げるがいい。遠くまで、行けるところまで行くがいい。 私はどこまでも追いかけてやろう。追い詰めてやろう。そしてズタズタに切り裂いて、ボロボロに壊して、「愛してた」と囁いてやろう。お前の進む道のために。 決して逃がさない。これは復讐なのさ。ああ・・・いきなり追い詰めたら、お前は崖下に飛び込むかもしれない。だから、じりじりと焦がすように追い詰めてやろう。楽になんかさせないよ。だって、これは愛なのだから。 ――誰よりお前を愛しているから、たくさんいたぶってやるのさ。 ――誰よりお前を憎んでいるから、たくさん愛をくれてやるのさ。 忘れるんじゃないよ。お前が、私を殺したのだ。 ・・・これは復讐さ。お前に与える、私の唯一の愛だ。
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