三章 “断罪と死” 6
とは言っても、飲んですぐ薬が効くわけではない。少しマシになってから&朝兼昼食を食べながらということで、四人は午前中部屋でのんびりと休んでいた。 シルフィラとミナは、ベッドにうつ伏せに寝て二人で話しに興じている。魔法の話しのようだが、魔法を使えない残り二人にとっては聞いてもわからない話しなので、必然的にリィンとコウは二人そろってぼーとすることになった。 ・・・俺は、帰りたいのか? 帰ろうと、思っているのか? コウは、自問した。わからない。全くもってわからない。 ――ここが地球でないことが、「俺」を変えてしまう要因になるのか? ならない、とコウは強く思う。 世界は、違う。でも、自分は、自分だ。今、ここに、自分がいるならば、そこは「自分の世界」だ。 ――誰にも心はひらかない。誰にも本音は見せない。誰にも文句は言わせない―― それが、俺。木崎光良だ。 ・・・俺は、変わらない。帰る場所なんて、元からない。今いるこの時が、この場所が、自分のいるべき場所だ! コウは、その気持ちを強く心に刻み付けた。 その気持ちに呼応するように・・・。淡く、腕にはめた黒石が光った。
|